不動産投資の表面利回りと実質利回りの違いは?計算のしかた
執筆:リヴウェル事業推進部
ANSWER
表面利回りは「年間の家賃収入 ÷ 物件価格」、実質利回りは「(年間の家賃収入 − 年間の経費)÷(物件価格+購入時の諸費用)」で計算します。広告に出るのはほとんど表面利回りで、実際の手残りに近いのは実質利回りです。2,000万円・月8万円の区分マンションなら、表面4.8%でも実質は約3.0%になることがあります。
この記事の要点
- 広告の利回りは、ほとんどが表面利回り
- 実質利回りは経費と購入時の諸費用を入れて計算する
- 空室の期間も考えておく
現場から
リヴウェルの物件ページでは、投資用の物件について、借入をした場合の月々の収支の目安(金利2.5%・30年・頭金1割で試算)を出しています。オーナーチェンジの物件は見学のかわりに、資料をもとにしたオンライン相談で収支をご説明しています。
結論:比べる入口は表面利回り、判断は実質利回りとローン後の手残りで
表面利回りは「年間の家賃収入 ÷ 物件価格」、実質利回りは「(年間の家賃収入 − 年間の経費)÷(物件価格+購入時の諸費用)」で計算します。広告に出るのはほとんど表面利回りで、実際の手残りに近いのは実質利回りです。2,000 万円・月 8 万円の区分マンションなら、表面 4.8% でも実質は約 3.0% になることがあります。
表面利回り
表面利回り = 年間の家賃収入 ÷ 物件価格
物件の広告に出ている利回りは、ほとんどがこの表面利回りです。経費を引く前の数字なので、比べるときの入口として使います。
実質利回り
実質利回り =(年間の家賃収入 − 年間の経費)÷(物件価格+購入時の諸費用)
実際の手残りに近いのは、こちらの数字です。
年間の経費に入るもの
| 経費 | 中身 |
|---|---|
| 管理費・修繕積立金 | マンションの場合、毎月かかる |
| 固定資産税・都市計画税 | 毎年かかる |
| 賃貸管理の委託料 | 家賃の数%が一般的 |
| 火災保険料 | 毎年、または数年分をまとめて |
| 修繕・原状回復の費用 | 設備の故障や退去のとき |
| 入居者募集の費用 | 退去のとき(広告料など) |
計算の例
価格 2,000 万円、家賃月 8 万円の区分マンションの例です(数字は説明のための例です)。
- 年間の家賃収入:96 万円
- 表面利回り:96 万円 ÷ 2,000 万円 = 4.8%
年間の経費を次のとおりとします。
- 管理費・修繕積立金:月 1 万 5,000 円で年 18 万円
- 固定資産税・都市計画税:年 8 万円
- 賃貸管理の委託料(家賃の 5%+消費税):年 5 万 2,800 円
経費の合計は年 31 万 2,800 円です。購入時の諸費用を 150 万円とすると、
- 実質利回り:(96 万円 − 31 万 2,800 円)÷(2,000 万円+150 万円)= 約 3.0%
ローンを使うときは返済後の手残りを見る
ローンを使って買う場合は、利回りに加えて、家賃から経費と返済を引いた手残り(キャッシュフロー)を見ます。
上の例で、頭金 200 万円、1,800 万円を金利 2.5%・30 年で借りた場合です。
- 毎月の返済:約 7 万 1,000 円(年約 85 万円)
- 家賃から経費を引いた額:年約 65 万円
- 手残り:年約 −20 万円
この例では、家賃だけでは返済をまかなえず、毎年 20 万円ほどを手元から足すことになります。ただし、返済のうち 1 年目で約 40 万円は元本の返済で、その分は借入が減っていきます。手残りがマイナスでも買うかどうかは、何年持つか、売るときにいくらで売れそうかと合わせて判断します。
空室も考えておく
入居者が退去すると、次の入居までの家賃が入らず、原状回復や募集の費用もかかります。年に 1 か月空室になると、家賃収入は約 8% 減ります。
利回りと価格の関係
収益物件の価格は、買う人が求める利回りから逆算されることが多いです。同じ家賃でも、求められる利回りが上がると価格は下がります。
- 年間の家賃 96 万円で、利回り 4.8% なら 2,000 万円
- 同じ家賃で、利回り 5.5% が求められると約 1,745 万円
金利が上がる時期は、買う人が求める利回りも上がりやすくなります。売るときの価格を考えるときは、この関係も頭に入れておいてください。
利回りだけで選ばない
利回りが高い物件には、価格が安い理由があることが多くあります。立地・築年数・管理の状態・今の家賃が相場と合っているかも合わせて確かめてください。
- 駅から遠い、周りに競合の物件が多い:空室が長引きやすい
- 築年数が古い:修繕の費用がかさみ、ローンの期間も短くなりやすい
- 今の家賃が相場より高い:次の入居者からは家賃が下がることがある
よくある質問
利回りは何%あればいいですか。
立地や築年数、空室のなりやすさで適正な水準は変わります。利回りが高い物件は、価格が安い理由(立地・築年数・空室リスクなど)があることが多いので、理由を確かめてください。
ローンを使う場合は何を見ればいいですか。
利回りに加えて、毎月の家賃から返済と経費を引いた手残り(キャッシュフロー)を見ます。
経費にはどんなものがありますか。
管理費・修繕積立金、固定資産税・都市計画税、賃貸管理の委託料、入居者が入れ替わるときの原状回復や募集の費用などです。
買う方も、お持ちの物件を売る方も、個別にご相談いただけます。
収支の見方や物件選び、賃貸中のまま売るかどうかまで、物件ごとにお答えします。